原作西尾維新先生の『物語シリーズ』には名言がいっぱいでてきますよね。この記事では「やり場のない思い」や「嫉妬」といった、人間の想いの深さに切り込んだ化物語の名言をまとめてみました。
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① 人付き合いと、人間嫌いは違うんだよ
「世ノ中二人ノ来ルコソウルサケレ、トハ言フモノノオ前デハナシ」
セルフフィールド自体は、プライバシーとかいって誰でも持っているものだけれど。ーそういうひとは、人付き合いそのものを鬱陶しいと思っていることが多いから。でもね、阿良々木くん、人付き合いが嫌いなのと、人間嫌いは違うんだよ。
出典元:化物語 羽川翼
百閒は、家にさまざまな人が続々とやってくるので落ち着かない、とこの歌を紙に書いて玄関に掲げた。静かに暮らしたいけど、とはいえ、ものすごい寂しがり屋の百閒、人にとって一番辛いことは『孤独だ』といいますから、面倒くさがっていても、実は人を恋ているということもありえるのでしょう。
② いちばん大変なことを、いちばん最初に
何から話したものかというなら、やはりそのあたりからか。ーいちばん大変なことを、いちばん最初に済ませたのだ。じゃあ、いよいよ本題に入らせてもらおうと思う。私はレズなのだ。
出典元:化物語 神原駿河
いちばんはじめにサクッと一番大切なことを打ち明けてしまう神原は、さすがの肝の座りよう。やらなきゃいけない、という思いほど、重いものはないんですよね。「話すか、話さないか」「やるか、やらないか」迷う時間の悶々としたストレスを考えると、はじめにサクッと済ませてしまった方がラクだったりするのかもしれませんね。
③ ただ昔みたいに、優しくして欲しかっただけ
最初は嫉妬した。ーどうして私じゃダメなのかと思った。阿良々木先輩に嫉妬して、戦場ヶ原先輩に失望した。そして、そんな自分自身に呆れ果てた。ーでもそれでも、私は昔みたいに戦場ヶ原先輩に優しくして欲しかったのだ。
出典元:化物語 神原駿河
嫌なことをされたり、辛かった記憶を忘れられずに苦しんだりもするのが人ですが、「優しくしてもらったこと」もしっかり脳裏に刻まれているんですよね。だからこそ相手が「またあの時のように…」と期待してしまうこともあるんのでしょう。しかし良くも悪くも変わっていくのが世の常であり、「昔のように」というのは難しいのでしょう、とくに他人に対しては。
④ 誰かが、誰かの代わりになんてなれるわけないんだ
でもな神原、真面目な話、どんなに頑張ったところで、お前じゃ戦場ヶ原の代わりにはなれないよ。お前は戦場ヶ原じゃないしな。誰かが誰かの代わりになんて、なれるわけがないし。誰かが誰かになんてなれるわけなんかねーんだよ。
出典元:化物語 阿良々木暦
いくら好きでも、どんなに憧れても、誰かが誰かになんてなれるわけがない、もちろん努力で近くことはできるかもしれないけれど。当たり前のことですが、日々に追われていたり、あまりに何かに執着していたりするとふっと忘れちゃうものなんですよね。でもそうやってもがいたその先に、追い求めた「自分らしさ」を見つける人も確かにいるのでしょう。
⑤ 生きてりゃ、誰かを憎むこともあるだろうさ
生きてりゃ、誰かを憎むことを憎むことぐらいあるだろうさ。殺されるのはそりゃごめんだけど。神原が戦場ヶ原に憧れていた、っていうのが僕を憎む理由なら、別に許せるしさ。
出典元:化物語 阿良々木暦
生きている限り、喜怒哀楽はなくならない。「嬉しいこと」があるのに、喜べない、嬉しくないってそれはつまらないですよね。悲しいことも、落ち込むことも、泣くことも、喜ぶことも、笑うことも、全部普通で、怒ることも普通のことで、悪い感情なんてないんですよね。
⑥ あなたが死ねば解決するとか、間の抜けたことを
阿良々木くん、どうせあなたのことだから、自分が死ねば全部解決するとか、間の抜けたことを思っていたんじゃないかしら。冗談じゃないわ、阿良々木くんが死んだらわたしはどんな手を使ってでも神原を殺すに決まっているじゃない。
出典元:化物語 戦場ヶ原ひたぎ
気がつきにくいものですが、案外「自分のことより、自分のことを大切に思ってくれているひと」が近くにいることって多いのかもしれません。自分が誰かのことをとても大切に思うように。ときに面倒臭い人間関係も、そうして支え支えられ、成り立っているのかもしれません。
⑦ 全くどいつもコイツも
それが本当に大事なものだったなら、戦場ヶ原が諦めるわけがない。大きなお世話、余計なおせっかい、ありがた迷惑。しかしまあ、それでもまあ、まったくもってどいつもコイツもひねくれているなぁ。
出典元:化物語 阿良々木暦
人間って面倒くさい生き物ですよね。でも脆いから、危ういものだから、わかりあえたときにあたたかい気持ちになれるんですよね。もしもそれが鉄板みたいにガチガチのものだったら、あったかくなれないですものね。
あとがきにかえて
この記事では、疲れたときに効く「化物語シリーズ (するがモンキー)」の名言をご紹介しました。今回神原駿河はそのまっすぐな想いから、戦場ヶ原ひたぎはその不器用さから、とんでもない混沌を生み出してしまったわけですが。そこを周りが無理やりにでも紐解く形で介入し解決をみたわけです。
大切なものだから、大事なものだから、傷つけたくないから。相手を思いやりすぎてわけのわからくなってしまうことって案外あるのかもしれません。こんがらがったときには主語を「自分」に戻してみるのも効果的ですね。誰かを思う気持ちも大切ですが、自分自身を大切にできないひとが他人を幸せにすることはないのですから。
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