先日カーチャの記事の翻訳をアップしたのですが、イーラのその後も検索してみました。でもびっくり、マリインスキー所属時代の資料が残っているかなと思ったのですが、本人が投稿しているFacebook, Instagramなどしかヒットしなかったのです。
イーラのFacebookは、全体公開されていますが、バレエの画像はほぼありませんでした。時々チラっとレッスンスタジオにいる姿や、教室を開催しているような姿が見られるくらい、あとは夫と、愛くるしい息子や娘との、豪華で幸せそうな生活が写っているだけ。
一流のバレエ団でプリマを努めるカーチャと、家族との時間を大切に過ごすイーラ。今日は2人の特徴を比較しながら、どこが分かれ目だったのかをみていきたいとおもいます。
才能のイーラと努力のカーチャ
イーラの昔といま
「言葉で説明できないことも、こうよ、と説明するだけですぐにできるようになります」とコワリョワ先生も評するほどの才能を持ったイーラ。
ワガノワ・バレエ・アカデミーへの入学は、地元の民族舞踊で上手だったイーラに「何かこの子は才能があるのでは」と母親が受験させたことがキッカケでした。
30人に1人という狭き門をこえ、ステップの安定感はクラスイチと評されるようになります。しかし、マイペースなことが災いし、減量や、事前準備に手を抜き、才能がありながらも四苦八苦。
それでも持ち前の負けん気も相成り、卒業公演の最終の場面で素晴らしい演技を披露し、そのおかげでマリインスキーバレエ団のコールドいりが決まったのですが……その後の情報はネットには載っておらず、いまは旅行をしたり、買い物をしたりと、幸せそうな生活を送っているようです。
カーチャの昔といま
一方カーチャは、祖母の代から3代続くバレエ一家に生まれた優等生です。3歳から母親にバレエの手ほどきを受け、「ダンサーとして恵まれていることは、美しさ」だと答えています。
確かに誰もが納得してしまうほどの美貌を持ったカーチャ、NHKスペシャルでも、最初のほうはイーラの方が優位かと思いきや、淡々と継続的に努力を続けるカーチャが最終的には国家試験を通り、自分の希望通りの将来に向け、確実に歩を進めます。
そんなカーチャは出産しても、自己管理を徹底しスタイルを取り戻し、ミハイロスキーバレエ団のプリマバレリーナとして、いまも現役としてステージにたち続けています。(参考記事:【カーチャ最新情報】双子ママでも現役プリマを続ける理由)
2人の道はどこで、差がついたのか
何を選ぶにせよ、自分が納得できることがイチバンですし、自分の道を見つけられた二人はどちらも幸せなのだと思います。
この世には良い悪い、もなければ、勝ち組、負け組も存在しないとおもいます。ただあえていうのであれば、最初の動機と、努力の使い方に関連しているのではないでしょうか。これは勉強でも、また別の仕事でも共通することです。
人は自ら選んだものに価値を感じる
人間は自ら望んで掴んだものに「価値を感じ、大切にする」という傾向があります。幼い頃から、マリインスキー劇場で踊ることが夢だったカーチャ。一方母親が才能を見出して、偶然か必然かバレエへの道を歩み始めたイーラ。
思い入れとこだわりの強さがあるからこそ、カーチャはどんな状態でも「ステージに立ちたい」ときつい努力を続けられているのかもしれません。
時に努力は、才能をも上回る
「信じて、他のライバルよりも1時間長く毎日、努力を続ければ、ある程度までの夢はかなりの確率で叶う(三月のライオン)」という言葉があります。
才能があっても、それを生かすも殺すも自分次第です。逆もしかりで、努力を続けてあと付けの才能を身に着けるひともいます。結局どうなるかは自分の行動次第なのかもしれません。
あとがきにかえて
「このままズルズルとした生き方をしていたら、二度とチャンスはこないでしょう」これは、国家試験の結果が散々に終わり、どこか投げやりで、卒業公演の練習にも手をつけないイーラにコワリョワ先生が言った言葉です。何かを目指す時、挫折はつきものです。
でもイーラは逃げず、猛練習で卒業公演で見事に踊りきり、最大の拍手喝采を受けました。辞めた理由はわかりませんが、きっと彼女のなかで「やりきった」と、なにか折り合いがついたのではないでしょうか。
二人からは色々なことを学ぶばかりですね。
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