【漫画NANA】ロクデナシのタクミと奈々は、なぜうまくいったのか

ナナとタクミはなぜうまくいったのか 未分類

人気コミック「NANA」に出てくる奈々とタクミ。ルームメイトを通じて知り合い、子供ができたことをきっかけに結婚。

最初はお互いの価値観に戸惑いはあったふたりだが、娘の皐がうまれ長男の蓮がうまれ、年月が流れてそこにあったのはあたたかい家族であった。

仕事はできるのに浮気はするわ悪態はつくわ、女にとってロクでなしともいえるタクミと、素直だけど恋愛脳で妄想癖があるふんわかした奈々はなぜうまくいったのか。この記事では色々あれど2人が離婚もせず、結婚生活を続けるにいたった理由を探ってみた。

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奈々 (ハチ) とタクミのあらまし

ナナとタクミの不思議な関係

面食いで高校生の頃から、恋愛ばっかりだったハチ (小松奈々)。夢みがちで隙だらけのハチはいつも恋愛に一直線だが、男性に本気になってもらえないこともしばしば…. 。

高校生のときに好きになったサラリーマンの「浅野さん」には奥さんがいたし、「そんな一生懸命な奈々がかわいい、おもしろい」と付き合った章司でさえ浮気に走る。そして最終的にハチのわがままさに愛想をつかし、従順で自分を真っ直ぐ愛してくれる子 (幸子) の元へいってしまう。

それでもその一生懸命さが健気に見えるのか、相手が本気かどうかを置いておいてもハチはモテるのだ。しかしようやく見つけた「自分を大切にしてくれる彼氏」ノブと付き合い始めて早々、一時関係をもったタクミの子供の妊娠が発覚する。

ナナとタクミの不思議な関係

不安も諍いも多くあったが、結果的にタクミの妻の座に落ち着く奈々。やり手のタクミは奈々と白金に家を借りて、ほんわり家族作るが、実際のところタクミの浮気は止まらずやめるつもりはない。

ハチも気づいているが、「泣いてられるか」と開き直って明るい主婦を続ける

ナナとタクミの不思議な関係

たくみの浮気癖は相変わらずで横柄な態度も変わらないが、年月が流れふたりの間には「家族愛」のような絆が産まれていく。はじまりは想定外なものだったが、実際に娘が産まれ、ふたりを待っていたのは普通とは少し形は違えど「両親が子供を愛し、子供の笑い声が溢れる家」そのものだった。

なぜタクミと奈々はうまくいったのか

① 現実的なタクミと、夢みがちな奈々

ナナとタクミの不思議な関係

ハチが20歳にして結婚した相手は、人気バンドトラストのタクミ。これ以上なくイケメンなうえに、地時頭がよく才能に満ち溢れ、機転もきくはたからみたら最高の男性。

しかも家賃100万円を余裕で払える財力まであわせもつ。しかし浮気はするわ、機嫌が悪いと周りにあたるわ、物は蹴るわで、大抵の女には耐えきれない仕打ちである。

ナナとタクミの不思議な関係

しかし見方をかえれば、タクミは『超現実的な男』であり、奈々はどこか『夢みがち』なだけなのである。男女の本質が究極まで誇張された2人だと言えるかもしれない。

どこか妄想的で現実離れした奈々の経済観念や生き方などをタクミがうまく補填し、きつい言葉で人を切り捨て軋轢を生みやすいタクミをほんわか優しい奈々が隣でカバーしている。

浮気や不倫云々はとりあえず横においても、「結婚生活」がふたりで社会と対峙していくということであれば、足りない部分を補えるふたりの関係は理想だったのかもしれない。

② 周囲の人々の、深い愛情と支えがあった

ナナとタクミはなぜうまくいったのか

スキャンダルに神経質になり、仕事がつねに一番のタクミは奈々に冷たくあたることもしばしば… そこで助け船を出してくれるのがヤスであり、蓮であり、2人のことを同じくらい知っている仲間達なのである。

冷たく見られるタクミだが、重責はものすごくトラストの基幹である。一方奈々のほんわかした笑顔と愛情にバンドメンバーは何度も救われてきた。

ナナとタクミはなぜうまくいったのか

その2人の幸せを心から願うまわりの助力があるからこそ、ギクシャクしたときも仲直りのきっかけができたり、お互いに自省するキッカケになったり、すれ違いをひとつずつ乗り越えていけるのだった。

③ お互いが必要としているものが、実は一致していた

ナナとタクミはなぜうまくいったのか

「白馬の王子様」を待っていた奈々。実際テレビの向こう側にいた「憧れの人」が、ルームメイトの知り合いだとわかり目の前に現れたものだからビックリするのも無理はない。

ほだされて関係をもつが、それは明らかに「遊び」であった。それを奈々自身もそれを分かりつつ、惹かれていく自分と幸せとはいえない現実の葛藤に苦しんだ。そんな中発覚した妊娠が契機となり、ふたりは結婚するに至る。

ナナとタクミはなぜうまくいったのか

最初はお互いの性格や生活に戸惑いもあったが、蓮の様子が変わっていきバンドに暗雲が立ち込めるとまた状況が変わっていく。2人の役割が、「稼いで家族を支える旦那」と「家でくつろげる空間をつくる明るい妻」といったかたちでハッキリしていくのだ。

そもそもハチはバイトを寝坊でクビになるほどで1人で稼いで生きていくのに諦めを覚えていたし、タクミは仕事もできてお金はあるけれどその態度から仲間との軋轢を産むこともあった。仕事ができる妻というよりは、帰ってにこにこほんわか迎えてくれるほうが助かるのだ。

ナナとタクミはなぜうまくいったのか

結果論にはなれど、お互い結婚に対する「利益」が一致していたのだ。

さいごに

ナナとタクミはなぜうまくいったのか

タクミと奈々はある意味珍しい例かもしれない。でも奈々は「幸せになるのに大切な要素」を確かにつかんでいる。自分の生涯の伴侶を見つけるのに大切なこと、それは「自分の一生の相手として本当にふさわしいのかちゃんと見極めようとしている冷静な相手」を見つけることだという。

奈々としては、妊娠がきっかけなわけでそんな様子は微塵もないが、タクミは冷静に判断をくだしている (性格的に打算的なところは見せていないが) それに際して大切なのは、「何人かから、ちゃんとフラれること」だという。

失恋ほど心が痛むものはないが、何度か「選ばれない」「選ばない」経験をすれば、それが実は当たり前のことだとわかっていく。

奈々と章司と幸子

奈々は章司も含めて何度も「フラれる」経験をしている、小悪魔的な要素があれどいつだって彼女は真っ直ぐだ。幸子に章司をとられたときも「自分は選ばれなかった」ことを辛辣に痛感し、「自分を選んでくれる」ことの稀有さを実感したのである。

人生には、たった一度の正しい組み合わせがあればいいという。そんな簡単に、一発で、運命の相手に出会えるわけはないのだ。何人もの相手をみて、こっちだって選んで考えて、それで「やっぱりこの人だ」と確信する。

それまでは試行錯誤を繰り返すし、フッたりフラれたりするのはある意味必要な通過点なのだ。何度もぶつかりながらも、譲歩しながら関係を作っていく奈々とタクミだからこそ、何もなかったところに「愛」がうまれそれが「家族愛」に変わっていった。

若いうちに痛い想いを散々した奈々だからこそ、縁あった「タクミ」との関係を大切にしていったからこそ「うまくいく」という結果がついてきたのかもしれない。

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