原作西尾維新先生の『物語シリーズ』には名言がいっぱい。この記事では『自分』というトピックについて深く切り込んだ花物語の名言と、その言葉が示唆することを考察していきます。
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① 本物だから威張らないし、普通でいられるんだよ
「本当に頭のいい人って、てゆうかスポーツでもなんでもいわゆる一流の人って、話してみたら意外と普通の人だったりして、オーラとかも全然なかったりするんだよ。でもそれってつまり本物だからこそ、飾らないってことなのかな。」
出典元:猫物語 阿良々木月火
背伸びをしているときって、割と余裕がなかったりするんですよね。「大きく見せよう、もっとすごいんだ」、そういった想いは不思議と相手に伝わってしまうもの。本物だからありのままでいられる、というのは真理なのかもしれません。
② 完璧じゃなくっていい、感情のある人間でありたい
「誰かを憎むことになると思う。これまでみたいにみんなに優しく出来なくなって、みんなを愛することも出来なくなる。嫌われるだろうし、嫌がられもするだろう…怒りっぽくなって、人を許せなくなるでしょうね。頭が悪くなるかもしれない、笑わなくなるかもしれない、メソメソ泣くかもしれない。でも、それでいい、それでいいんだ。私は“本物”じゃなくて“人物”でありたい。」出典元:猫物語 羽川翼
喜びもない、嬉しさもない、怒りもなければ、寂しさもない…考えて見るとそんな人生はつまらないのかもしれません。泣いて笑って、乗り越えるから楽しみが生まれる、人間らしさって感情があるってことなのかも。
③ 目をそらしているだけじゃ、逃げたことにはならない
「羽川ちゃん。人は嫌なことがあったらどんどん逃げていいんだけれど、目をそらしているだけじゃ、逃げたことにはならないんだよ。きみが現状を良しとしている限り、外からは手出しができないんだから。」
出典元:猫物語 阿良々木暦母
逃げること、と問題をみてみぬフリすることは、似ているようで全く違うんですよね。「隕石が降ってきたら、振り替えずに逃げろ」という言葉のとおり、ときには振り返らずダッシュして逃げることも必要なのかもしれません。
④ 怖くてもきっといつか、その思いが報われる時がくる
「何かを得ようとすると、何かを失う。でもそれを怖がって何もしようとしなければ、何も変わらない。きっと、つまらない人生だって言っている人は、何もしていないんだと思う。だったら、失敗を恐れず立ち向かっていけばいい。どんなに進むのが辛くても、怖くても、きっといつか、その思いが報われる時がくる。」
出典元:猫物語 黒猫
はじめてのことに挑戦するのがこわい、というのは普通のことだと思います。成功する可能性がある分、失敗する、傷つく可能性だってある、でもいちばん怖いのって「何かが起こるかもって恐れている時間」なんですよね。案外どんな結果に終わっても、達成感は得られたりするものです。
⑤ どうなろうと、全部おまえだよ
「どうなろうと、全部お前だよ。変わってもお前だ、安心しろ」
出典元:猫物語 阿良々木暦
良いことも悪いことも、変わらないものなんて何もないんですよね。世の中も、人々も日々変わっていくわけで、だから自分が変わっていくのだって普通のこと。変わるのを恐れず、自分がなりたい方向へ進んでいけたらいいですね。
あとがきにかえて
虎が暗示した「嫉妬」は、キリスト教における最も重いとされる七つの罪業のひとつでもあります。満たされない気持ちを抱くときは大抵、「自分にないもの」を考えているとき。幸せと感謝の気持ちは密接に密接に結びついており、自分が日ごろ受けている多くの恩恵に感謝を持つことで、心があったかくなってきたりするものです。「自分を大切にすること」を覚えた羽川ちゃんは、最後に部屋をもらいすっきりした顔とともに語りが終わるわけですが。彼女が気づいたものは「自分の存在」であり、「ここにいる意味」であり、それは現代人が忘れがちな「自分の価値」といえるのかもしれませんね。
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