原作西尾維新先生の『物語シリーズ』には名言がいっぱい。
この記事ではそのなかでも、「悩み」というトピックについて深く切り込んだ花物語の名言と、その言葉が示唆することを考察していきたいとおもいます。
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① 悩みの正体というのは、基本的に将来に対する不安だ
「悩みの正体というのは、基本的に将来に対する不安だ。今よりもっと酷いことになるんじゃないか」という予感が、精神のバランスを突き崩す」
出典:花物語 沼地蝋花
「悩み」というのは、大抵少し経てば、忘れちゃっているものなんですよね。
または新しい問題にぶつかり、新たなことで悩んでいるか。案外「あれ、私また悩んでいるな」と呟き、俯瞰してみると冷静になれたりするのかも、考えることは大切ですが、グルグル悩むというのは落ち込むだけなのかもしれませんね。
② 逃げの何が悪い?
「逃げの何が悪い?この世にあるほとんどの問題は、逃げることで解決するじゃないか。逃げて先送りにしているうちに、問題は問題じゃなくなってしまう。『今このとき』に解決しようと思うから、人は苦労するんだよ」
出典:花物語 沼地蝋花
「いま、ここで」できなくても、コツコツやっていたからできるようになったり、「時期」がきたから希望のポジションにはいれたり。目の前の問題を全部解決しようとおもわず、のらりくらりやっていくのも人生を楽しむコツなのかもしれませんね。
③ 考える暇があるなら動け
「難しい顔をして思い悩んでいると賢いように見えるけれど、そんなのは誤解だよ。考えればいいってわけじゃない。
何も考えずにほっこりと生きているやつのほうが、よっぽど天下をとっている。悩むなんてのは時間のムダだ。考える暇があるなら動け、悩みは忘れろ、先に立たないなら後悔するな。」
出典:花物語 神原駿河 母回想
思い悩んでいても、何かが変わるわけではないんですよね。「どうするか、なにするか」を決めることは生産的ですが、グルグルと悩み続けることには意味はないんだな、と思わせてくれる言葉です。
④ 善だけの人、悪だけの人
「全方面に対する悪なんて存在しないんだ。どんな悪も、何かは救っている。どんな悪も、どんな悪魔も。逆に言えば、どんな正義でも何かを傷つけている。」
出典:花物語 貝木泥舟
嫌いなひとでも、いい面をみて「あれ、悪い人じゃないのかも」と思うことって、わりと誰にでもあるのではないでしょうか。
あんなに嫌っていたのに、憎んでいたのに。でも人柄ってまるで球体のようで、いろんな面があって然りなんですよね、なので一概に良い人、悪い人では判断できないものです。
⑤ 自分が何を願う奴なのかは、知っておいたほうがいい
「手に入るかどうかはともかくとして、自分が何を願うやつなのかってことは、知っておいたほうがいいだろうよ。何を欲しいと思い、どうなりたいと思う、どんな奴なのかーそれを知っておかないと、あっさり道に迷っちまうぜ」
出典:花物語 最終話 阿良々木暦
社会にはいろんな人がいて、自分がしたことに対して、いろんなことをいってくるものです。それこそいいことも悪いことも。だからこそ「自分の意思」を持つことが大切なのでしょう。
言葉にしてもしなくてもいい、でも「自分がこうありたい」と思う心は、何をするにも指針になるのだとおもいます。
あとがきにかえて
何ごともままならないってとき、ありますよね。気持ちがモヤモヤするときに花物語を見て、前に進むためのヒントをもらっていたりします。
すべて計算されているのか、ちょうどいいところにグッとくる名言が、配置されているのがたまらず、「ああ、そういうことか」と紐がほどけるようで、言葉にはやっぱり力があるなと毎度思う次第です。
自分らしさってなんなのか、みんな結局は「好かれたい奴に好かれたい演技」をしていて、そればっかりやっていると自分をすっかり見失うという、阿良々木先輩の言葉はその通りだと思います。せめて自分には嘘をつかず生きたい、モヤモヤが抱えてきれなくなったら、ぜひ「花物語」を見てみてはいかがでしょうか。
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