原作西尾維新先生の『物語シリーズ』には名言がいっぱい。この記事では『正義』というトピックに深く切り込んだ、偽物語の名言を考察していきたいとおもいます。
① ナーバスになるのはわかりますが、得るものは必ずありますよ
「予定外のハッピーに対してナーバスになるのはわかりますが、しかし新たな領域にはいることによって、得るものは必ずありますよ」
出展:偽物語 八九寺真宵
予定外の幸せ、チャンスって、嬉しい反面、少し怖くなったりもするもの。でも新しいステージにはいると、必ず何か得るものがあるんです。それは達成感かもしれないし、新たな課題かもしれない、どちらにしてもそれは確実に成長している証しなのです。
② ニセモノの方が圧倒的に価値がある
ニセモノの方が圧倒的に価値がある。
そこに本物になろうという意志があるだけ、ニセモノの方が本物より本物だ。
出展:偽物語 貝木泥舟
ニセモノと本物、真似るものと真似されるモノ。どちらが正しいってことはなくて、むしろ無意識でコトを成してしまう本物より、「努力で出来ているニセモノだからわかること」というのもあるのかもしれません。
③ 正義の第一条件は正しいことじゃない、強いことだ
「確かにお前は正しいんだろうお前はいつも正しい。それは否定しない」
「―だけどな、それは正しいだけだ。お前は、いつも強くない格闘技やってんならそれくらいわかるだろうが。正義の第一条件は正しいことじゃない、強いことだ。だから正義は必ず勝つんだ。いい加減それくらいわかれよ。それがわからないうちは、お前達のやっていることはいつまでたっても――ただの正義の味方ごっこで……偽物だ。」
出展:偽物語 阿良々木暦
なんだか戦争を彷彿させますね。今私たちが知っている歴史というのは、「勝者」が語ってきたストーリーなのですよね。「正しい人」がいつも勝つわけではない、なんだか切ないけれどそれもまた世の常なのです。
④ 家族なんだから、それでいいんですよ
「家族なんだから、ウソもつきます、騙します、迷惑もかけます、面倒もかけます、借りを作ることもあるでしょう、恩をかえせないこともあるでしょう。でも、それでいいと思ってます。それでいい、それが家族なんだと僕はおもう。」
出展:偽物語 阿良々木暦
完璧でいなくてもいい、それでも心から信じているからできること。特別なことなんてなくていい、「家族」というのは、もう「いる」というだけで幸せなのかもしれません。
⑤ 騙されるほうも悪いのよ
「私今から世界一ひどいことを言うわよ」
「騙される方も悪いのよ。私は正義の味方じゃない、悪の敵よ」
出展:偽物語 戦場ヶ原ひたぎ
人にはそれぞれ都合があって、いちいち同情してばかりもいられない。自分の手に余るものはこうしてキッパリ言い切ってしまうのは、後腐れなく、潔くて気持ちがいいですね。
あとがきにかえて
正義っていったい何なのでしょうね。いつも正しくはいられないし、間違ってばかりもいられない。良かれと思ってしたことが裏目に出ることもあれば、不意に助けられて泣くほど嬉しいこともある、つくづく人間って自分勝手な生き物だなとおもいます。だからこそ物事は「良い悪い」ではかるのではなく、「自分の信念を持つことが大切なのかもしれない」とおもうのでした。
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