アニメ化、映画化でも話題となった3月のライオン (著者 羽海野チカ)。その魅力のひとつは、ストーリーと共に綴られる、各個人の想いや言葉。思わず頑張りたくなる、名言まとめにつづき、落ち込んだ時にほっとする、ちょっと元気になるような優しい名言・場面をまとめました。
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心が元気になる名言
嬉しい日は、心をあたたくする記憶となって残る
「こんな急に手にはいったものは、やっぱりまた急に消えていっちゃうのかなあ。ーでも今はただうれしくて。うれしくて。ーそうだ、もし、いつか消えちゃうんだとしても忘れないでおこう。嬉しかった日は確かにあったんだって。ーまた、いつでも、何度でも、想い出せるように」(桐山零)(三月のライオン 羽海野チカ7巻 Chapter66 陽のあたる場所より引用 白泉社創刊)
欲しかったものが、夢だと思っていたものがふとした瞬間に手にはいることがある。それはたとえなくなっても、消えることはなく、思い返して心のなかがあたたかくなる記憶になって自分のなかに残るのかもしれない。
何かをしたことが、間接的に誰かを助けることも
でもあの日ひなちゃんは、怖いって言いながらも後悔しない、間違っていないって言い切ったんです。まるで自分に言い聞かせるみたいに。あの時僕は、僕が助けてもらったんだと思いました。ひなちゃんは僕の恩人だと。ーだから、ひなちゃんをこんな勇気のある子に育ててくれたあかりさんも僕にとっては恩人なんです。(桐山零)(三月のライオン 羽海野チカ6巻 Chapter55 告白より引用 白泉社創刊)
いろんな人の影響を受けて、私たちは成長していく、生きていく。全く意図せずにした行動なり、言葉なりが、いつか誰かを通して間接的に誰かを助けることも、あるのかもしれない。
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友達の言葉は、ときに核をつく
「本当に勝ちたいんなら、粘れ。ー攻めるだけじゃなくちゃんと守れっ。桐山きこえているか?もっと自分の将棋を大切にしてくれ、潔いのと投げやりなのは、似ているけど違うんだ!!」(二階堂晴信)(三月のライオン 羽海野チカ6巻 Chapter63 王国②より引用 白泉社創刊)
幼い頃から相対してきた二階堂晴信は、桐山零のライバルでもあり、(二階堂曰く)親友でもある。二階堂は幼い頃から病気を持っており、長時間の試合に持ちこたえられず倒れてしまう。その敵討ちに挑む桐山、怒りのまま相手の挑発に乗りそうになったとき、「冷静になれ」と頭をかすめたのは親友の心からの助言だった。
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すぐ自分でいっぱいになる自分にも
「ー僕はいつだってこうだ。本当にいつも気付けなくて、くやしくて。自分のことで、すぐいっぱいいっぱいで。自分以外のひとの優しさとか強さとか、さみしさとか。ぜんぜん・・ー情けなくて」(桐山零)
(三月のライオン 羽海野チカ6巻 Chapter63 王国②より引用 白泉社創刊)
二階堂の本気の言葉の意味に、桐山がようやく気づいた。相手のミスを待つ順慶に、勢いでぶつかろうとするが、それは違うと冷静になり、桐山は勝負を勝ちとる。二階堂は体調と向き合い苦しみながら、どれだけの想いであの言葉をいったのか。痛いほどわかった瞬間でもあった。
あとがきにかえて
3月のライオンに登場する人物は、各々が事情を持ちながらも前を向き、精一杯に生きています。辛いことに胸を痛ませながら、時に泣きながらも、人の優しさに気付き、支えられ、ときに支えあっていく。この物語のキャッチフレーズ、「様々な人間が何かを取り戻して行く優しい物語」のとおり、心があたたかくなるお話しです。
完璧なひとなんていない、だれもが何か欠けていて、それを埋めるために一生懸命日々を過ごしている。だからこそ、寄り添い生きることで生まれるあたたかさを感じることができるのかもしれませんね。
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