大企業よりも、アッドホーム感が強い中小企業。縦割り社会の老舗企業より、人に重きをおいている感じがするとして入社を決める大学生も多いですが、本当にそうなのでしょうか。
ここに記すのは新卒で中小企業にはいった経験を基にした、小さい企業で働くことの辛さや現実のリアルです。
小さい会社で働くということ
超わかる?超中小企業あるある
以下、小さな会社で勤めるさい共通する特徴です。
- 社員が2〜30人くらい
- 長く働いているお局さんがいる
- 社長の一言で全てが決まる
- ボーナスが出ないことが多い (または少ない)
- 稟議はなく、承認は口頭で終わり
- 同期社員がいない (先輩もいない)
- キャッシュフローがぎりぎり
- 結構な頻度で、行先不透明な時期がくる
すべては一長一短
ただこれらは、見方をかえればこれはメリットと捉えることもできます。
- 意見が通りやすい、融通がきく
- 縦割りがないので、色んな仕事にチャレンジできる
- トップの人と接する機会が多いので、それなりのマナーが身に付く
- 不況をも乗り越える力がつく
大企業との待遇差
新卒者において大企業組と中小企業組の間には溝が出来がちですが、それは待遇の差にあります。
いくら社長が尊敬し憧れる人だったとしても、
- 大手では数ヶ月の手厚い研修を受けるのに対し、
- 中小企業はぶっつけ本番 (またはOJT)
- 大手は賞与が3〜5ヶ月分出るのに対し、
- 中小企業は雀の涙
- 大手では同期がたくさんいて休日遊んでいるのに対し、
- 中小企業では同期入社ゼロ
といった、自分を取り巻く、給与や人間関係まで全く異なってくるのです。
最初の1、2年はまだ自分の道が定まらず周りと比べがちなので、いきなり現場に出ることを辛く感じたり、給与が少ないことを惨めに感じたり、分かち合える仲間がおらず寂しく感じたりするでしょう。(私はこれがつらすぎて転職サイトを凝視していたので、よくわかります)
社内の人間関係
意外としんどい、社長との距離の近さ
小さな会社になるほどぶち当たるのが、社長との関わり方です。中小企業はそもそも人が少ないので、中間管理職が少なく場所によってはいないこともあります。ただ社長の経営視点と、社員のタスク視点ではやはりズレが生じるもの。
良くできた組織であれば、中間管理職が緩和剤となりスムーズに業務が進むものですが、小さい会社では人員が付け焼き刃なことが多く、新卒社員が社長にしょっちゅう怒鳴られる、といったことも珍しくありません。
長い視点でみれば、そういった厳しい環境を生き抜くことで「能動的に動ける」ようになっていくのですが、ただでさえ環境が変わり忙しい毎日なのに、何がわからないかもわからないうちに怒鳴られ続け、疲弊して辞めてしまう人もいます。
選択肢が少ないので、キャリアがイメージしにくい
大企業には多くの部署があり、異動だったり栄転だったり様々な選択肢があるわけですが、中小企業では選択肢が限られているところが多いです。社長の力をかりて会社内で新しい事業を立ち上げる人もいるのですが、大抵はキャリアアップを目指すとなると転職の道を選びます。
「この人みたいになりたい」といった先輩がいるといいのですが、社内にいない場合は自分で道を切り開いていかなければいないので時に辛いものがあります。
ただこれは逆にいうと今の会社だけに囚われず、幅広く関係をつくっていくキッカケともなりますので、捉え方によってはプラスになるかもしれません。
まとめ
中小企業でも、大企業でも悩みはあるでしょう。
ただ、悩みの中身が違うだけだと思います。社会は果てしなく自由ですので、自分の決断次第でどうとでも動けるわけですが、第二新卒で大手にうつる人が多いのはこういった中小企業に関するリアルを知らないことも一因しているのかもしれません。
しかし統計的には「新卒で中小企業にはいって3年間揉まれた人」と「新卒で大企業にはいって3年間ふつうに勤めた人」では、前者のほうが経営者から好まれるそうです。
たしかに新卒ではいるには獣道かもしれませんが、中小企業でメキメキと力を伸ばし華やかなキャリアアップを遂げる人もたくさんいます。つらいリアルも知っていて挑むのと、後から知るのでは心持ちがかわりますから、勘だけでなく色々な側面から就職先を決めるのがいいのかもしれません。