林先生の初耳学で「高学歴ニートに熱血授業」という特集が組まれていました。「失敗が怖い」「何にも縛られたくない」という生徒の言葉に、時代がかわり副業が解禁され、多様な生き方を選択できるようになった
この時代、学校で「優等生とされた人」ほど「何をしたらいいか」迷うものかもしれません。この記事では、好きなことで生きていくということ、そして真の自由とはなにかを考察していきたいとおもいます。
好きなことで生きていくって、どういうことか
「好きなことで生きていく」というのは、ものすごく美化された言葉です。もう少し現実的にいうと「好きなことで生きていく」というのは、「自分の好きなことでお金を稼ぐことができ、それで充分な生活ができる」ということです。これだけだとふわっとしていますが、要するに「趣味をマネタイズ」できるひとのことです。
具体例、今の時代らしいものをあげてみると
- ゲームが大好きで、プロゲーマーになった
- 自然が大好きで、田舎で自給自足を体験できるサロンを立ち上げた
- インスタグラムがヒットして、SNSマーケティングのコンサルタントになった
「好きなこと」を徹底的に突き詰めていったら、その結果として「自然と触れ合いたい人層から、莫大な支持を得ることになった」、「インスタをヒットさせる技を、多くの企業から教えてほしいと言われるようになった」などなど、いずれも「趣味の延長線上に仕事がある」というのが特徴ですね。
どれも要は、「お金を払う価値があるか」
では「好きなことで生きている人」と、「ただの趣味にとどまる人」の違いはなにかというと、「その人が持っているもの」に「需要があり、さらにお金を払う価値があるか否か」です。
好きなことで生きていく、のカラクリ
- インスタグラムがヒットして、SNSマーケティングのコンサルタントになった
という例をみていきましょう。Aさんは趣味でインスタを始め、次第に夢中になり、熱狂的にファンをもつ人気インスタグラーマーになりました。これはどういうことかというと、Aさんは試行錯誤を重ねて行くうちに、「人の心を掴むインスタの作り方」を得た、のです。
そして、その「Aさんの持つ知識」は、「企業がお金を払ってでも欲しいもの」なのです。「ニッチな知識」に需要が出てきて、それに対価を払いたい、という人が増えていく。これが「好きなことで生きていく」のからくりです。
「好きなことを探せ」という縛りは、呪いの言葉
しかし日本は、世にも奇妙な「新卒一括採用」を絶対とし、「良い企業に長く務めること」が長年よしとされてきた国です。いまさら「これからは”自分の力で生きていくこと”が必要とされる時代です。副業を解禁するからなんとか頑張ってください!」
と言われても、「…….」となる人が多いのではないでしょうか。なんとなく今の日本には「好きなことがないと不幸せ」といった雰囲気が取り巻いてる気がするんです。でも断言したいのは、別に「会社員 (サラリーマン) 」が悪いってことは全くないんですよ。というより、むしろ、サラリーマンでいたほうが「自分の好きなことに集中」できたりもするんです。
むしろサラリーマンの方が、「好きなことだけ」出来る?
私も実際に(通訳・翻訳として)フリーランスを経験してわかったことなのですが、会社から出るって「自由になる」どころか、むしろ「好きじゃないのにやらなきゃいけないこと」が増えたりもします。具体的には、
- 毎月安定した収入を得るために、案件をとりにいったり、
- 請求書の作成から振込の確認、
- 納期管理も自分でやらないといけないですし、
- オンとオフの切り替えしかり、確定申告しかり
会社では「総務、経理、営業」など、それぞれに特化した部がやってくれる仕事も、ひとりでは自分でやらなければいけないのです。
「好きなことだけで生きていく」のリスクを背負えるか
収入が多くなれば「人を雇って、自分は本業に集中する」こともできるかもしれません。しかしだいたい最初は自分でやらなければならないのです。それを考えると「ひとつの会社に属して、(ただ通訳・翻訳に)没頭する」ほうがよっぽど、「好きなことだけできている」ともいえます。固定給なので安定していますしね。
「好きなことで生きていく」というのは、それらのタスクやリスクを背負っても、「自分の思う通りの働き方をしていきたい」という覚悟が必要で、「すべてが自分の思い通りになる」といったような夢物語ではないのですね。
やりたいことが見つからない、という人へ
では「好きなことが見つからない」「何をしていいかわからない」という人は、どうすればいいのか。それは、会社で働きながら、
- 興味のあることに端から挑戦したり、
- いまある仕事にとりあえず熱中してみたり、
- 好きなことを徹底的に突き詰めてみたり、
「自分が夢中」になれることを探していくのが近道といえるのかもしれません。逆説的ですが、「やりたいこと」って見つけるものではなく、やっているうちに「気がついたら夢中になってる」ものなんです。「好きこそものの上手なれ」っていいますから。そしてその“好きなこと”で生きていくためには、それをマネタイズできるかどうか、が鍵となるんですね。
あとがきにかえて
というわけでまとめますと「好きなことで生きている人」は、
- 趣味を上手にマネタイズ出来ている人
- 「好きなことで生きていく」ことは決してラクな道ではない
- むしろ会社員のほうが、「本業」だけに集中できる場合もある
それでも、会社のあれこれに縛られることなく、自分の道を突き進めるのはやっぱり魅力的でもありますね。なので個人的には「こっちにする」と決めることなく、色々やっていいとこ取りをしていったらいいのかなとおもいます。「会社で得た知識」がフリーに生きることもありますし、逆もまた然り。自由だからこそ柔軟に、「自分が心地よい道」をできるところから探せていけたら、もっと人生が豊かになるのではないでしょうか。
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