この仕事をやっているとそれこそ色んな案件に携わります。
先日珍しい人から依頼をいただきました、依頼主は実の叔父。内容は「昔作ったHSBC(香港銀行) の口座が凍結されそう、海外本行への電話を手伝って欲しい」とのこと。はて、日本に支店はないのかと調べてみたところ、こんな告知を発見しました。
※海外HSBC個人口座保有のお客様へ
日本のHSBCでは、日本における個人金融サービス業務からの撤退に伴い、既存のお取引の解 消に向けての取り組みを主に行っており、海外個人口座の新規口座開設の媒介、または海外個 人口座でのお取引に関するサポート業務を行っておりません。海外口座に関しては、海外HSBC へお客様ご自身で直接お問い合わせ頂くようお願い申し上げます。 |
どうやら、HSBCの日本支店が徹底し、何かあったら香港にあるHSBCへ直接問い合わせしなれけばならなくなったようです。どうやら似たような問題を抱えている人が多いようだったので、備忘録として、口座が凍結されそうになった場合の対処法を下記しておきます。(※2020年現在)
HSBC 口座が凍結されそうになった時の対処法
銀行から届いたレターをしっかり確認
叔父にきた手紙には、
- 20xx年xx月xx日までに銀行口座に動きがない場合、個人口座が凍結する
- 凍結を防止するためには、口座のお金を動かすか、
- 口座に不明点がある場合は、HSBCヘ直接(+852-2748-8333) 電話をすること
といったことが書かれていました。
お金を動かせば解決するが、問い合わせが必要な場合も
ATMで引き出しが自由にできる人や、ネットバンキングが使用できる人は口座にお金をいれたり引き出すことで解決します。要は口座に動きがあればいいだけなので、最悪、自分の口座宛に海外送金をする形でも大丈夫です。
しかしそもそも「暗証番号」を忘れていたり、あっているはずの暗証番号が使えなかったりする場合は、(残念ながら)HSBCのカスタマーサービスへ問い合わせする必要があります。レターには番号がふられており、それを元に問い合わせすることになります。
(※もちろん全て英語です)
HSBC香港 カスタマーサービスへの問い合わせ
① 国際番号は忘れずに、音声は『#2』で英語に切り替えよう
国際電話をかけ慣れていない方は要注意、まず固定電話でも携帯電話でも「+852 2233 3000」といったように本番号の前に必ず国際番号+852をつけてください。(番号は変わる可能性があるので、届いたレターかHSBCの最新ページを確認してください。
HSBCカスタマーサービスは、オペレータにつながるまでが少々ややこしいです。まずどの番号にかけても必ず中国語の自動アナウンスが流れます。
その後に英語で説明があるので、焦らず英語音声に切り替えましょう。Please select language (言語を選択してください) という言葉が聞こえたら、ボタン2を押します (英語ではpress 2といわれます)。
② 短縮ダイヤル早見表で、オペレータに辿り着こう
下記が短縮ダイヤルの早見表なので、事前にどこにかけたいか目星をつけておくと早いですね。わからない場合は、オペレーターに繋ぎましょう。
オペレーターにつながる前に、自動音声がアカウント番号とPINコード(暗唱番号)を聞いてくる場合があります。
そんなこといわれてもわからない、という方、自動音声のうちは一度きって何度もかけ直すことも可能なので、「Account No」「PIN code」といったワードが聞こえたら入力してみましょう。
(短縮ダイヤル一覧:https://cdn.hsbc.com.hk/content/dam/hsbc/hk/docs/one/hotline.pdf)
③ オペレータには、簡潔に要件を伝える
出だしは、こういった決まり文句で充分です。
- I made phone call because …. 内容… (こういった内容で、電話させていただきました)
- I called you because…. 内容… (これこれこうで、電話させてもらいました)
PINコードを忘れた場合は、
- I forgot PIN code and I can’t use my ATM card. (暗唱番号を忘れてカードが使えないのです)
- Can you reissue PIN code for my ATM card? (暗唱番号を再発行してもらえますか?)
といった聞き方があります。
もし、大昔にカードを作っていてなんらかの理由で使えなくなっていた場合は、
- Can you check why I can’t use my ATM card? (なぜカードが使えないのか確認してくれますか?)
といった風に聞いてもいいでしょう。
④ 本人確認には、慎重に答えよう
オペレータがこちらの内容を確認すると、大体「本人確認」がはいります。
- 電話番号をおしえてください
- 住所を教えてください
- アカウント番号を教えてください
質問の内容は上記のような基本情報の確認もありますが、たまにトリッキーなものもあります。
- あなたは当行のクレジットカードをもっていますか?
- 当行にモーテージはありますか?
といったものです。これは自分の情報を元に正直に答えればOkです。ここがスムーズにいかないと、Valification error (照合エラー)となりこれ以上先に進めなくなってしまうので慎重に答えてください。
また最初に登録した携帯番号に認証用の番号が瞬時に送られ、それを読み上げてくださいといった指示もあります。
怪しい人物がかけてきたとして、そのまま保留されてしまう可能性もあります。ただ相当なことがない限りはやり直しがききますので、落ち着いたら①から再度やり直すという手もあります。
⑤ オペレータの言葉が聞き取れない場合
電話に出る人はランダムなので、丁寧なお姉さんもいれば適当なお兄さんもいます。相手のいったことが早口すぎて聞き取れなかったり、全くわからない場合は
- I can’t speak English. (英語がわかりません)
- Slowly please. (ゆっくりいってください)
- Pardon? (もう一度いいですか?)
こういった言葉を繰り返して、できる限りゆっくり話してもらいましょう。
もちろん香港人も英語はネイティブじゃない人も多いですし、第三言語を話す大変さをわかっている人も多いです。焦ったら「オペレータは外国人に慣れている」ことを思い出し堂々と「I can’t understand what you said. Repeat please (わかりませんでした、もう一回お願いします)」と伝えましょう。
スポンサーリンク
電話だけでは解決しないこんなパターン
ちなみに今回のクライアントであった実の叔父の場合は、
- アカウント作成時にアクティベートをおこなっていなかったため、
- PINコード (暗唱番号) が有効にならず、ATMが使えないまま年月が経ち、
- PINコードはあるのに、ATMカードそのものが使えない
という非常に厄介なパターンでした。しかも問い合わせをしてアクティベートしていないことに気づいたという…。しかしHSBCホームページにあるPDFフォームを以下へ送ってしっかり照合出来れば、『PINコード』を再発行できるとのことでフォームの位置と送り先の住所を教えてもらいました。
PIN CODE再発行書類のダウンロードと送り先
フォームについては、こちらからダウンロードが可能です。
- PDFフォーム:ATM Card/Business Debit Card New PIN (Personal Identification Number) Request Form
- 送り先 (Address):1/F, Tower 2, HSBC Centre,. 1 Sham Mong Road, Kowloon, Hong Kong
- 宛名 (ATTN):Account Service
記載した原本を香港銀行へ送付すればOkとのことですが、2020年時点での情報であり、ケースによって異なってくると思いますので必ずHSBCの公式ホームページかコールセンターで最終確認をお願いします。
結構期間がかかるのでご注意
ちなみに叔父の場合はその書類が「本人が提出したものか」さらに確認するため、本人の携帯に電話がかかってきたのですが叔父は聞き取れなかったようで。
HSBCから更なる確認書類が送られてきて、そこに書かれてある電話番号にかけて書類の確認番号を伝えるまで『PINコード』の再発行処理は保留されてしまいました。(それに3週間くらいかかった…)
- 問い合わせから、HSBCでの原本受理確認までに3週間
- 受理から本人への電話に2週間
- 更なる本人確認に3週間
- 再発行処理 & PINコード記載の書類送付に1ヶ月
と、なんやかんやで合計3ヶ月ほどかかりました。
もし口座凍結の注意云々書かれた書類がきたら、すぐに対処しましょう。国際電話面倒臭いしなあ、と思っていると猶予期間はあっという間にすぎます。
とくにコロナ騒動だからか、コールセンターもかかりにくく、何かあって香港に飛んでいくといったこともできないので早め早めの対処が肝心です。
まとめ
というわけで、HSBC口座凍結の注意レターがきた場合にやるべきこと、
- 香港のHSBCカスタマーサービスセンターへ問い合わせ
- 国際電話をかけるときは国番号を忘れずに (英語音声はボタン2をプッシュ)
- オペレータにつなげるには、最初に短縮ダイヤルをチェックしておく
- アカウント番号とPIN コードは正しく入力
- 本人確認情報をミスるとやり直しになるので慎重に対処
- 英語がわからなくてもあせらず「Slowly please」で乗り切る
- 電話だけで終わらない場合もあり、最終的な対処法 (電話でokか提出が必要か) は必ず確認
でした。ただですね、銀行の場合は個人情報が絡みますので非常にセキュリティが厳しいです。
信頼できる人に英語が話せる方がいたら「一緒にかけてもらう」ことも手でしょう。わからないまま進めると逆に凍結されたり、最終的にどうなったかわからなくなったりと悲惨な結末も待ち受けているかもしれません。
セキュリティレターや、最終的なPINコードは登録住所宛に届きますので、それは第三者に取られないよう注意してください。
また問い合わせをする時は「公式の銀行ホームページ」から電話番号を調べてかけましょう。ちなみに叔父は最初詐欺かと思ったそうで、でも数年前に外資保険か何かのために口座を作っていたことを思い出し姪の私に相談してきたようです。
番号云々調べていくと本物だとわかったので問い合わせした次第ですが、たとえ本物でも疑ってナンボですね。身内だから手伝えたことでもありますが、なかなかレアなケースでございました。
HSBC関連は戸惑われている方も多いようなので、いつか誰かのためになれば幸いでございます。
コメント